面接の準備と心構え

面接は、履歴書や職務経歴書の作成と違って、書き直し、やり直しはできません。一発勝負ですので、時間をかけて準備を行い、面接を行う本番では伝えたいメッセージを相手に分かりやすく話せるように努力しましょう。緊張するのは当たり前のことです。がんばりすぎず、その時の100%の力を発揮すればよいのです。

 

面接では、これから一緒に働くかもしれない方々に自分を売っていくことになります。また、相手は、人生経験豊富な方であったり、人を見る仕事をしている百戦錬磨の人事担当者です。つまりは、うまく表面だけ取り繕ったとしても、本質的なことを説明できなければ、相手の目をごまかすことはできません。そのために、考え方の軸を持つことが肝要です。自己分析結果での自分の強みであったり、これから転職先の会社で実現できるであろう夢を明確にすることです。

 

転職は就職活動と異なり、すでにみなさんには社会人経験があるわけですから、ビジネスマナーはできて当然という状態からスタートします。なにかマナー上気になる点があると、減点となり、良い話し方をしたとしても基本的な点ができていないということで残念な結果になることが多くあります。「見た目」も評価の重要要素です。髪型、服装、男性の場合にはネクタイや背広、革靴は磨いたか、靴下はきちんとビジネス用の落ち着いた色か、女性の場合には、メイクやスーツの色、爪、ヒール等に注意を払いましょう。一般常識として、健康的で清潔感あふれる印象となるように、だらしないと思われるような服装を避けるほうがよいでしょう。その常識というのも、自分自身の世代だけではなくて、世代を問わず年長者からも受け入れられる服装であることが望ましいと思います。まずは、第一印象で損をしないようにしましょう。

 

面接に臨む場合には、その面接をしていただく会社に興味を持つことも重要です。経営理念や方針、過去の実績や業績、経営トップのメッセージなどを見ておくと良いと思います。何か共鳴することがあれば、それを記憶し、共感した部分を説明したり、もう少し掘り下げて興味深く質問をしてみても良いでしょう。それだけでも、面接官への印象はアップすること間違いなしです。

 

あなたは、今自分は何に強みを持ち、何を課題として残しているか、また、新しい環境で何がしたいかが整理できています。ここで、企業の面接を受けている場面を想像してみましょう。みなさんは、身なりも挨拶もしっかりとし、会社の面接官から見て第一印象がとても良い状態でスタートしました。今日の場をいただいたことについてのお礼に続き、自己PRをした後に、面接官からの質問に的確に答えていきます。

 

面接官は「自分自身の強み・弱みを教えてください」「仕事のやりがいは何ですか?」「仕事での成功体験は?」「将来の夢はなんですか?」「転職先を選ぶ基準はなんでしょうか?」「転職理由はなんでしょうか?」。矢継ぎ早にいろいろな角度から質問を投げかけてきます。自分の夢、自己分析が行えていないと、ただ単に、現在の職場に対する不安・不満ばかりのコメントになってしまいます。これでは面接官も、途中から真剣にあなたの面接をしたいと思わなくなり、時間の経過だけを意識するようになってしまいます。面接官は、なぜうちの会社に来たいか、どのような活躍したいかというポジティブな理由を知りたいのです。業界の魅力、企業の魅力、仕事内容の魅力について熱く語りましょう。転職で成功している人は、転職活動時間の8割を、準備時間に割くと言われています。「なぜこの業界なのか?」「なぜこの会社なのか?」「なぜこの仕事なのか?」「なぜ自分なのか?」を事前に自分自身に問いかけておく準備が必要です。

 

面接を受ける全員が緊張した面持ちで臨みます。あなただけ緊張するものではありません。面接官もその点は理解していますし、場合によっては、敢えてプレッシャーを与える質問を投げかけてくる場合もあります。多少説明の仕方がたどたどしくなったとしても、誠実に受け答えし、分かりやすく、かつ論理的に伝えようとする真摯な姿勢は高評価されます。

 

先ほど少し触れましたが、面接は会社側の面接官からの一方的な質問を行うだけの場ではありません、みなさん自身が逆質問できる貴重な時間でもあります。「経営理念に記載されていることを実際の現場で感じる場面としてはどのようなものがありますか?」「現在特定の分野でグローバルでのトップシェアを持っていますが、今後の事業戦略ではどのような点を攻めていく予定ですか?」「社員に対するどのような評価・報酬制度が整備されていますか?」。面接官には、その会社に興味を持ってもらっているという印象を与えることができますし、また、回答をもらうことで自分自身が候補としている会社とのより詳細な比較にも結び付けることが可能です。